前回の記事では、「Raspberry Pi 2」(以下、RP2)にて、Raspberry用のLinux OSである「Raspbian(ラズビアン)」を動かすために、私が購入・用意したものをご紹介しました。
今回はOS「Raspbian」のインストール手順と、初期設定についてまとめました。
手順2.までの作業にはMacを使用していますが、Windowsでも同様の手順で進められます。
全体の流れ
- 必要なファイルのダウンロード
- OSインストーラー「NOOBS」の書き込み(microSD)
- 周辺機器の接続・RP2の起動
- OS「Raspbian」のインストール
- OS「Raspbian」の初期設定
- まとめ
1. 必要なファイルのダウンロード
OSインストーラー「NOOBS」のダウンロード
Raspberry Piの公式サイトより、OSインストーラー「NOOBS」をダウンロードします。
Download NOOBS for Raspberry Pi
手順3.でRP2をはじめて起動するとき、「NOOBS」が最初に実行され、Raspbianなどの各種OSをインストールできます。
RaspbianのOS本体を含む「NOOBS」と、インストーラーのみの「NOOBS LITE」が選べます。 「NOOBS LITE」を選んだ場合や、Raspbian以外のOSをインストールする際は、RP2上でOS本体をダウンロードすることになります。
RP2でのダウンロード・SD書き込みは遅そうなので、私はOS込みの「NOOBS」を[Download ZIP]のリンクからダウンロードしました。
ファイルサイズは現時点の最新版(Ver.1.9)で約1GBです。 ダウンロードに時間がかかるので、以降の作業を並行して進めます。
「SDカードフォーマッター」のダウンロード
OSのインストール先となるmicroSDを最適な状態にフォーマット(初期化)するため、「SDカードフォーマッター」を下記サイトからダウンロードします。
ページ下部に、ソフト本体(Windows用/Mac用)とマニュアルのダウンロードリンクがあります。(現時点の最新版は4.0)
WindowsやMacの標準機能でもフォーマットは可能ですが、このソフトを使用することで性能を最大限に引き出せるそうです。
2. OSインストーラー「NOOBS」の書き込み(microSD)
microSDのフォーマット
ダウンロードした「SDカードフォーマッター」のインストーラーを実行し、PCに導入します。
完了後、microSDをPCに接続し、SDカードフォーマッターを起動します。
カードの選択が正しいことを確認後、[名前]に任意のボリューム名(私は "RP2" にしました)を入力し、[フォーマット]をクリックします。
※microSD内のデータがすべて削除されます。
「NOOBS」の解凍とmicroSDへのコピー
手順1.の「NOOBS」のダウンロードが完了次第、解凍して「中身」をすべてmicroSDにコピーします。 microSDが以下のようなフォルダ構成になっていれば問題ありません。
3. 周辺機器の接続・RP2の起動
ここまで準備できたら、RP2に以下のものを接続して起動します。
※RP2には電源スイッチがないので、電源のMicro USBケーブルは最後に接続します。
- microSD(手順2.で「NOOBS」書き込み済)
- HDMIケーブル(ディスプレイに接続)
- USBキーボード
- USBマウス
- LANケーブル(有線LAN接続の場合)
- Micro USBケーブル(電源アダプタに接続)
※CPUの冷却ファンを接続した状態だと、下記メッセージが表示されて「NOOBS」が起動しませんでした。
sh: can't access tty; job control turned off
インストール完了までは、必要最小限の機器のみを接続した方が良さそうです。
4. OS「Raspbian」のインストール
OS・言語の選択
RP2に電源を入れて少し待つと「NOOBS」が起動します。
OS一覧より「Raspbian」を選択し、画面下部の[Language]より「日本語」を選択します。 Keyboardが「jp」となっていることを確認後、画面上部の[Install]をクリックします。
確認メッセージに対して[はい]を選択します。
インストール中
完了するまでしばらく待ちます。
インストール完了
下記のメッセージが表示されればインストールは成功です。 [OK]をクリックし、RP2を再起動します。
再起動中
美味しそうなラズベリーが4つも表示されています。
デスクトップ
無事にインストールが完了しました。
5. OS「Raspbian」の初期設定
パッケージの更新
Raspbianにインストール済みのパッケージ(ソフトウェア)を最新版に更新します。
画面左上の[Menu]より、[Accessories]→[Terminal]を選択し、コマンドを入力するためのターミナルを起動します。 上記の「画面」アイコンからも起動できます。
続いて、下記コマンドを順に入力します。
sudo apt-get update sudo apt-get upgrade
1行目で最新のパッケージの一覧をサーバーから取得し、2行目で更新します。
以降、確認メッセージ[Y/n]が表示された場合は、キーボードの[y]、[Enter]を順に入力します。
日本語環境のインストール
日本語を表示・入力できるようにするため、下記コマンドを順に入力します。
sudo apt-get install jfbterm sudo apt-get install ibus-anthy
「jfbterm」は日本語の表示、「ibus-anthy」は日本語の入力を行うためのソフトウェアです。
インストール完了後、[Menu]→[Shutdown]→[Reboot]を選択し、RP2を一度再起動します。
再起動後、画面右上の[JP]より、先ほどインストールした「Anthy」を選択します。 テキストエディタ([Menu]→[アクセサリ]→[Text Editor])などで、日本語が入力できることを確認します。
タイムゾーンの設定
時刻を正しく表示するため、タイムゾーンを変更します。
[Menu]→[設定]→[Raspberry Pi の設定]を開き、[ローカライゼーション]タブの[タイムゾーンの設定]を選択します。
[地域]より「Japan」を選択し、[OK]をクリックします。
少し待つと、画面右上に正しい時刻が表示されます。
6. まとめ
以上で「Raspbian」のインストールと初期設定は完了です。
サーバーとして使うにはもう少し設定が必要ですが、学習用のLinux PCとしては十分使えるようになりました。
コマンドを実行したり、プログラムを作って動かしてみたり、その他にもアイデア次第でいろいろと活用できます。
お手軽に手に入るLinuxマシン「Raspberry Pi」。
この機会に是非、始めてみませんか?